ある調査機関がとった統計によると、強迫性障害を発症したひとの50%は重症化し、軽症といえるひとは14%にすぎないといわれています。
強迫性障害ははじめから重度の強迫症状ではじまるわけではありません。
例えば、ただのきれい好きだと思っていた入念な手洗いが、次第に何度も手を洗わないと気が済まなくなり、過剰な手洗いを繰り返すようになる。
ガスの元栓やコンセントの確認を何度も確認をしないと安心できなくなり外出することが困難になる。
目に見えないバイ菌が怖くてドアノブすら触れなくなる。
そして、その結果、無気力になって、何もしたく無くなるのです。
仕事や学業に支障をきたすようになる。
人間関係にひびが入る。
家から出られなくなり、引きこもってしまう。
美容院へ行けなくなるからと出張美容の依頼が入るのです。
などと、例を挙げたらきりがないのですが、多くのひとが原因不明のこの病に苦しみ、刻々とその症状を悪化させているのです。
また、症状が悪化するだけではなく、かなりの割合のひとが「うつ病」などの心の病を併発することが分かっています。
そもそも強迫観念を引き起こす原因は何なのか?
その原因の一つに、“間違った学習の積み重ね”が挙げられます。
それは、「問題のある考え方や行動はすべて間違った学習を積み重ねてきた結果」という考え方です。
つまり、今あなたが抱えている強迫観念は「すべて間違った認識に基づいて引き起こしているものであり、それに伴う強迫行為もまた同じ原理」だということです。
そして、それは“日々強化”されています。
自分が病気であることを自覚しないまま、それは日々悪化していっているのです。
強迫性障害を改善するだけではなく、潜在意識に内在した“いらない認識”を面白いように“書き換える”事ができます。
たとえば、「毎朝早起きしたい」とあなたが思っているとします。
でも、朝になるとどうしても、何ともいえない感情が邪魔をしてベッドから起き上がるのを妨げてしまいます。
これは、ただ単に「朝に弱い」というだけの話ではなく、多くの場合、頭の中に「朝ギリギリまで寝ておくことが自分にとっての喜びだ」という認識がインストールされているためです。
その自分でも気付いていない“認識”が早起きという行動を妨げているのです。
「禁煙したくても出来ない」という人は世の中には沢山いますが、これも同じ原理で、この人たちの中には「何事も煙草があってはじめて、100%楽しむ事ができる」という認識があり、これが在る限り、いくら頭の中で「禁煙したい」と思っていたとしても、どうしても上手くいきません。
このような、“自分にとって非合理的な認識”を「意図的に書き換える」事ができれば、何かを達成することなど、ウソのように簡単にできてしまいます。
言い方を変えると、自分自身を、理想的な自分に変化させることが自由にできるようになるのです。これを強迫性障害に活かす事こそが、改善メソッドなのです。
このような事と比較して見ても、抜毛症は身体的な事からはじまる事が多いので強迫性障害と決めつけられないのではないか?